2010年11月1日月曜日

学生環境サミット 総括


COP10閉幕と共に、半年間の学生環境サミットの活動が幕を閉じた。

4月のキックオフミーティングに集まった時、参加者は生物多様性への知識がなく、集められた目的も曖昧。
主催者と意思の疎通もできず、何度も何度も目的を見失って迷走しまくったプロジェクト。


毎日の10時間を超えるディスカッション。OKが出ず、毎週一から作りなおしたプレゼンテーション。2週間の準備期間での留学生を招いたイベントを開催するなど、とかく滅茶苦茶なスケジュールの中で、自分はまた一皮剥けたなと思える。


今回印象的だったのが、「生物多様性を守る」という目的をどんなプロセスで解決するか議論で揉めたことだった。

オレ達の団体は、前提として活動実績がない、いわばCOPでのプレゼンのために集められた学生集団。まっさらな状態で、よく解釈すればなんだってできる団体。悪く解釈すれば、何もできない団体だった。

この状態でプロセスを決めるのは、本当に難しかった。

大きくは、「社会のシステムを変える派」と「個人の意識改革派」がおり、前者が国際的な枠組みで話をするのに対し、後者は草の根的な市民への訴えかけを主張する。 どちらも目的は同じであるものの、真逆のアプローチだった。

普段の議論なら、オレは自分達のポテンシャル(できること)を考える。それを鑑みた時に一番効果がでるものを実行すべきだと思うから。 日本の大学生ということから導くなら、後者だと考えた。


ただ、サミットの問題は『プレゼンが目的』なことだった。つまり、プレゼン内容を実行しなくてもよく、どんな意見が言えるかが重要だったことだ。

そしてオレ達は自分達のポテンシャルや社会の問題を考えず「生物多様性を保全するためにどんな枠組みでどこが変化する事が必要か」考え始める事となる。

国連、IUCN、UNEP、環境省、企業・・あらゆるファクターを挙げ、何をしてもらえるか議論した。そして、そのことでどう問題が解決するかを数学の公式を解くように考えたのだ。

結果は、頭でっかちで内容の薄い議論の繰り返し。

現実の課題とシステム論的なプロセスが混合し、その曖昧さを補うために自分達で定義した言葉が副次的に生まれ続け、混乱は再骨頂に達した。

なんとかまとめ上げたプレゼンもフィードバックを受けボロボロ。結局主催者の助言もあり、「個人の意識改革」を掲げて議論を再構築したのだった。

COPの場でしたプレゼンは、生物多様性という生きもののつながりに生かされていることへの感謝の気持ちを持ち、行動を変えよう!という主張。

最善のプレゼンだったと思う。大切な事を自分達の言葉で主張できて本当によかった。


代表として参加していた中で、正直「社会のシステムを変える」議論が不毛であることは感じていた。

ただ、正論で規模も大きいもの(実行不可能だが効果も大きい)への反論が上手くできなくて、結局は自分もこれに意見を出し続けるだけだった。 かなり反省した!



ここで学んだのは、最終的に「違和感」を感じ続けるものはやはりなんらかの無理があるということ。

今回のケースは稀で何度も経験することはないと思うが、全てのものは頭で考えているだけでは意味がない。 実行し、成果を出す事で世の中は少しづつ変化し続ける。

頭の中でしか効果のないような施策を考えだしたところで意味はなく、結局できるのは巨視的に世界を捉え、微視的かもしれない行動をし続けることだけなんだろう。

そういう意味で、結局は自分のしたいことをし続けることが一番意味のある行為に繋がるんじゃないかと思ったのでした。


オレはあくまで現実の中で楽しみたい。 空中戦のような議論はもうコリゴリだね。

しかし、本当に今回の経験に感謝! 東大と同志社に超親友ができました*

このままのコンディションで、残りの学生生活も楽しみたいと思います!

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