2013年5月1日水曜日

自分の仕事って? 考え方と作り方の話

西村佳哲さん 『自分の仕事をつくる』を読みました。



「仕事をつくる」と言われたとき、皆さんは何を思い浮かべますか?

僕は、こう自分に問うた時、自分の専門分野をつくるということかな。と考えていました。


言い換えると、自他共に「これはアイツの仕事だ」と認知するということです。自分だけが思っているだけではダメで、他人が任せたいと認めるから、仕事が自分のものになる。そんなふうに考えました。


この本で西村さんが仰っている『自分の仕事をつくる』というのは、これとは少し違うかも知れません。


僕がイメージした『自分の仕事をつくる』は、すでにある仕事を自分のものにするにはどうすればいいか という考え方。 

西村さんの『自分の仕事をつくる』は、生きていく中で、何もないところから自分の仕事をつくるにはどうすればいいか という考え方です。

つまり、「自分発の仕事をつくるにはどうすればいいか」を考えていく本です。


ところで、仕事なんて言われてもピンときませんよね。 人によってずいぶんと解釈の異なる言葉だと思います。 ここでは、仕事を「自分と社会を繋ぐもの」と捉えるとわかりやすいと思います。


仕事をする主体である、私 と 仕事のアウトプットを受ける、社会 という関係で、自分と社会は繋がっています。 もともと他人である私と社会を繋ぐものが仕事です。

この本の書き出しはこんな言葉ではじまります。

目の前の机も、その上のコップも、耳に届く音楽も、ペンも、紙も、全て誰かがつくったものだ。
街路樹のような自然物でさえ、人の仕事の結果としてそこに生えている。

私たちは、数えきれない他人の「仕事」に囲まれて日々生きているわけだが、ではそれらの仕事は私たちになにを与え、伝えているのだろう。

この世界は一人一人の小さな「仕事」の累積なのだから、世界が変わる方法はどこか余所にではなく、じつは一人一人の手元にある。多くの人が「自分」を疎外して働いた結果、それを手にした人をも阻害する社会が出来上がるわけだが、同じ構造で逆の成果を生み出す事もできる。  ”

こんな出だしで、働き方研究科西村さんの話ははじまります。

「世界は仕事によってできていて、仕事の質によって人を阻害することもできれば承認することもできる」というメッセージです。

例えば同じ服をしまうにしても、丁寧に作られた「いい仕事」な箪笥にしまうのと、ホームセンターで買ったカラーボックスにしまうのとでは、全社の方がより「自分は大事にされている」という気持ちを感じます。

ホームセンターのカラーボックスは、「価格相応の機能」は持っているものの、目につかない部分はペンキが塗られていなかったりして、どうも「自分は大事にされている」という気持ちにはなりません。

それでも、世の仕事は後者が主流で、この仕事を蓄積していった先には、仕事が人を阻害する社会ができる・・という訳です。


この仕事の質というのは、何もB to  Cのビジネスに限ったことではないと思います。

オフィス内でも、丁寧につくりこまれた資料を受け取れば嬉しい気持ちになるし、やっつけ仕事で仕上げたメールを見ると悲しい気持ちになります。

せっかく社会と繋がる手段が仕事なら、いい仕事をしてきたいな。と思いますよね。


本の内容としては、いい仕事をつくる為、どんな働き方があるかをオムニバスに紹介し、それぞれの章での結論が出されていきます。


僕が考えるこの本の結論は、「共同体の中でどう振る舞うか。それが仕事をつくる」です。

気になった方、是非読んでみてください。読後の感想シェア楽しみにしています。

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