音食WEEKは6月の最終週、大学の中にステージを立て、ステージ周辺に地域の飲食店に出張店舗を出してもらう、野外フェスのようなイベントだ。
ステージでは選りすぐりの学生バンドが演奏を披露。応募してきた団体をCAPメンバーが審査し、合格した10組が出演する
出張店舗は地域の飲食店全てにオファー。毎日8店舗づつ。日替わりで20前後のお店が出店した。
・学生に地域の味を食べてもらい、気に入れば「馴染みの店」として通いつめてもらう
・地域の方に学生の輝いている姿を見てもらい、応援してもらう
この2つを目標に、入学したての僕らは準備を進めたのだった。
僕が入った時のCAPは、主力メンバー構成が 大学院1年:2人 学部4年:5人 2年:1人 1年:6人と中間学年がおらず、イベント経験のある先輩は就活中。活動どころではなかった。
去年の書類は残っているけど、何をすればいいかは不明。
こんな状態で、先輩が出した指示を下に、僕らは動くしかなかった。
「企画書作っといて」
「店舗に出店依頼してきて」
「学生バンド用に企画説明の資料作っといて」
何を頼まれたのかもわからないまま手を動かし、資料作りや地域のお店周りに明け暮れる日々だった。
この時、中心になって動いた1年メンバーは、翌年にリーダーとして企画を引っ張る事になる。
僕自身も翌年は代表を務めるのだけど、人数が少なく、一人当たりで担当している飲食店やバンドの数が多かった為、準備を通じて大学での顔が急激に広くなった。
当時は「なんで1年のオレ達がここまでやらなきゃいけないんだ」とも思ったけれど、この不満が組織への問題意識に変わり、その後自分がリーダーシップを奮う気持ちに繋がったんだと思う。
4月から準備を始めても、6月の本番までは3ヶ月しかない。
出演団体・出張店舗が決まった後にもやることは山積で、ステージや飲食店で使用する電力量を計算したり、お店の仕込み時間を打ち合わせたり、当日のプログラムを制作したりと、どんどん時間が過ぎて行った。
本当に何から何までやっていて、ステージ装飾も自分たちの手作業だった。
ステージ中央に飾る看板も自分達で制作した。後回しにしていった結果、直前の一週間で看板を買ってきた木材から作るハメに。
ステージ設営前日の夜までペンキを塗り、扇風機で乾かし、別の色を塗り。を繰り返し、終電を逃したメンバーを何人も家に泊めながら極限の生活を送っていた。
そんな準備も終わり、いよいよ開催の週になった。
音食WEEKは火曜~金曜までの4日間のイベントの為、月曜は完全自主休講で朝9時から25時までステージ設営。 翌日は朝7時に会議室に集合し、最後の打ち合わせをしてステージ企画の始まる13時を待った。
1・2限とも必修だった僕は、一番後ろの席で睡眠確保。寝不足のはずが、そわそわして寝れず、授業も耳に入らなかった。
13時、MCが開催宣言をし、演奏が始まる。
死にもの狂いでしてきた準備が実を結んだ瞬間、鳥肌が立った。
ごった返す人の中響く演奏。買ったばかりの食べ物に舌鼓を打つ学生達。
出張店舗を出してくれたお店のおばちゃん達は手拍子をしながらステージに見入り、顔なじみの学生を見つけて声をかける。 準備を通じて何度も打ち合わせをしてきたまんじゅう屋のおじさんからは、『いいイベントだね。来年も是非呼んでよ』と声をかけられる。
「何がなんだかわからないまま、準備をしてきたけれど、イベントってこんなに楽しいものなんだ。 もっとこの活動に没頭してみたい」
そう思えたのが、初めてのイベント、音食WEEKだった
HP:http://deka.challe.u-tokai.ac.jp/cap/onsyoku2011/pc/home.html
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